Research activities

P1010597カンボジア下準備

 

BELDAは、東南アジアにおける民生部門のエネルギー消費実態に関する共通のデータベースを構築し、計量数値モデルを用いた将来予測と発展段階に応じた政策や対策の効果検証ができるWebベースのプラットフォームとそれを活用する国際研究者ネットワークを構築することで、我が国の国際協力基盤の強化を図っていきます。BELDAは、2つのサブテーマから構成されています。

1.エネルギー需要構造の収集と分析に関する研究
ベトナム、タイ、カンボジアの三カ国を対象として、民生家庭部門の月別エネルギー消費量および住宅全体、主要家電製品の電力消費ロードカーブを作成します。調査は、これまで信頼関係を築いてきた現地の大学・研究機関と連携して実施します。調査により収集する情報は、物理的な「エネルギーの量」と「生活の質」に関するものです。
「エネルギーの量」としては、電気、ガス、薪炭等のエネルギー種別のエネルギー消費量、主要消費先別のエネルギー消費量、主要家電製品の時刻別電力消費をアンケート調査ならびに実測調査にて収集します。
「生活の質」としては、空間の使い方(人員密度や滞在時間)、環境調整行動(通風や状況に応じた移動、ブリコラージュ的対応など)、家電製品(テレビ、PC、冷房機器、扇風機、冷蔵庫など)の所有状況ならびにその使い方、温熱環境と快適感に関する情報をアンケート調査ならびに実測調査にて収集します。民生家庭部門では、都市部と発展の遅れた地方都市、農村部を比較することで、発展段階に起因する生活水準もデータベース化します。

また、民生業務部門については、タイおよびベトナムの事務所建築物を試行として調査し、データベースとして整備します。これらの情報は、民生部門からの二酸化炭素排出量を削減するためのシナリオ作成と発展段階に応じた方策立案、効果検証の基礎となるものです。また、これらの調査対象住宅、事務所は、継続的な追跡調査、対策の要因対象研究のコホートとします。

(1) 住宅用月別エネルギー消費量実態調査

(2)住宅全体及び主要家電製品の電力消費ロードカーブを把握するための計測調査

(3)住宅の住まい方、環境調整行動、家電製品の普及状況、および室内温熱環境と快適感に関するインタビュー調査

(4)事務所構築物におけるエネルギー消費量実態調査

(5)継続的な情報提供および対策の要因対象研究の為のコホート作成

 

2.プラットフォームの構築と活用に関する研究

構築したデータベースを元に、エネルギー消費の将来予測のための計量数値モデルを開発し、経済的、社会的要因に関する将来動向を含めた、各国の実情、発展段階に応じた民生部門からの二酸化炭素排出量を削減するシナリオと方策を国別に導き出せるWebベースのプラットフォームと、それを活用する国際研究者ネットワークを構築します。また、最終的には、本ネットワークから二酸化炭素排出抑制に向けた国別対策の共同提言を行う予定です。

(1)プラットフォーム共同活用に関する方針、形式等の定義

(2)将来予測のための計量数値モデルを開発

(3)連携する国際研究者ネットワークの構築と情報発信

(4)Webベースでのデータベース、プラットフォーム構築

(5)国際研究者ネットワークによる国別対策の共同提言